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兵庫県立美術館で開催していた没入型展覧会「ゴッホ・アライブ」に行ってきました! 世界80か国以上を巡礼し850万人以上が感動! 昨年末に日本上陸、名古屋、神戸のみでの開催でこの日曜日6月4日が最終日となりました。40台のプロジェクターで「ひまわり」「星月夜」など世界中の美術館やコレクターが秘蔵する有名作品3000点以上の画像を時系列に投影し、クラシック音楽で演出された40分間のスペクタクルを堪能できました。オランダからパリ、アルル、サン=レミ、オーヴェール=シュル・オワーズを巡りながら、彼の生きた証と足取りを次々とドラマチックに展開。最後は絶望と人生の終焉を醸し出した最期の作品とも言われている《カラスのいる麦畑》でピストル音とともに幕を閉じると言う、何ともせつなくも哀しい生涯を見事に演出してくれました。

アルル時代と《耳切り事件》

このスペクタクルに200%没入するために、ある程度はゴッホの生涯を下調べして入館したつもりでしたが、メイン会場に入る前に展示されていたゴッホの生涯の解説のパネルの一枚に度肝を抜かれる文面があり、ちょっと掘り下げて調べてみたのでご紹介します。

「切り取った耳を知り合いの娼婦に娼婦に送りつけた!」

ゴッホは芸術家が集うパリに息苦しさを感じ、明るい陽光や豊かな色彩溢れる南仏アルルで、芸術家たちの共同体を作ろうとしていました。その舞台があの《黄色い家》です。他の芸術家達と同じ家に住み、交流を重ねてお互いに切磋琢磨しながら、太陽の恩恵を受けた大自然の中で想像力を高め合い、素晴らしい作品を一緒に生み出したかったのです。彼はパリで活動する印象派の画家達に何度も手紙を出してアルルに呼び寄せようとしましたが、誘いに応じたのは、ゴーギャン一人でした。ゴッホはゴーギャンを歓迎する意味を込めて《ひまわり》の絵を書いて部屋に飾りました。しかしその絵も批判されその後も芸術論などを巡り二人は衝突することが多く、たったの2か月でゴーギャンはアルルを離れパリに戻ってしまいます。この事と深く関係しているのが、かの有名な《耳切り事件》(1888年12月23日)

この事件の背景には、ゴーギャンへの強い思いからその関係が崩壊してしまった悲しみよる自傷行為と言う説と、ゴーギャンに自画像のデッサンで耳の形が変だと批判され自暴自棄になったと言う説とあります。

そして驚愕したのはその裏側で展開していた、ゴッホの余り知られていない一面と真実です。 彼は自分の耳を切り落とすと言う奇行だけに及ばず、なんと、「耳の一部を知り合いの娼婦に娼婦に送りつけた」という衝撃的なエピソードです! 

この記事をご覧ください。 1888年、12月30日付で この事件を裏付ける記事が当時の地元紙「ル・フォルム・レピュブリカン」の地域のコラム欄に掲載されてました。

写真記事は読みにくいので書き下ろしますね。

Dimanche dernier, a 11 heures 1/2 du soir ,  le nomme Vincent Vangogh, peintre, originaire de Hollande, s’est presente a la maison de tolerance No.1, a demande la nomme Rachel. et lui a remis… son oreille en lui disant : 《Garder cet objet precieusement》 Puis il a disparu.  Informee de ce fait qui ne pouvait etre que celui d’un pauvre aliene, la police s’est rendue le lendemain matin chez cet individu qu’elle a trouve couche dans son lit, ne donnant presque plus signe de vie.   Ce malheureux a ete admis d’urgence a l’hospice. 

和訳:先週の日曜日、夜の11時半、オランダ出身のヴァンサン・ヴォーゴーグと名乗る画家が娼館1号に現れ、ラシェルという女性を呼び出し、「これを大切に保管しておいてくれ」と言って自分の耳を渡した。そして姿を消した。 憐れな精神病者の異常行為だと言う通報を受けた警察は翌朝この男の家を訪ね、ベッドの上で殆ど生きている気配のない状態で男を発見した。この不幸な男は直ちに緊急入院させられた。

その後、ゴッホは愛したアルルを離れ、20キロ離れたサン=レミの精神病院へと移りアルル時代は幕を下ろしたのです。

画家生活を支えてくれた弟テオとの650通もの手紙のやり取りの後、彼の人生の最期は哀しい結末となりますが、130年が経過した今も、彼の色彩豊かな代表作は世界中の人々を魅了し続けています。 ひまわり、アルルの跳ね橋、夜のカフェ……その殆どの作品は私の大好きな南フランスに込められているのが嬉しいです♡ この南仏での滞在した僅かな2年間が彼の短い37年間の人生で最も幸せで創造的な時期だったかもしれませんね。。。 

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