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ビュッシュ・ド・ノエルだけじゃない、フランスのクリスマスケーキ

フランスのクリスマスケーキと言えば、薪の形のビュッシュ・ド・ノエル(Bûche de Noël)が定番ですが、その他にもクリスマスケーキがあることをご存じですか? フランスは国土が広く、周辺諸国と国境を接していることもあり、地域色が大変豊かな国です。今回は、ビュッシュ・ド・ノエル以外のクリスマスケーキをいくつかご紹介します!

ニースのパネットーネとパンドーロ

フランス南東部、イタリア国境に近くイタリア移民やイタリア人住民も多いニースでは、クリスマスが近づくとイタリアのクリスマスケーキ、パネットーネ(Panettone)とパンドーロ(Pandoro)をよく見かけます。ビュッシュ・ド・ノエルより売り場の広いお店もあるほどです。

パネットーネはフランスのブリオッシュのような生地(小麦粉、卵、バター、牛乳、砂糖)にドライフルーツが入っていて、ドーム型をしています。パンドーロはパネットーネと似た生地で、星型の山のような、日本のチョコレート「アポロ」を巨大にしたような形をしています。プレーン生地で中には何も入っていませんが、粉砂糖の袋がついていて、それをまぶして食べます。パネットーネはミラノ発祥、パンドーロはヴェローナ発祥で、どの地域にもパネットーネ派とパンドーロ派がいるそうです。

アルザスのシュトーレン、クグロフとベラヴェッカ

ドイツと国境を接するアルザス地方では、ドイツのクリスマスケーキ、シュトーレン(Stollen)が売られています。焼き上がりにかける白い粉糖が、キリストがおくるみに包まれている姿を表していると言われています。

本場ドイツのシュトーレンはマジパン(アーモンドなどのナッツのペースト)を使い甘さが強く硬めで重い仕上がりですが、アルザスのものはフランスのブリオッシュ風の生地にドライフルーツを練りこんでふんわりしています。

また、王冠の形をしたブリオッシュ風の生地にドライフルーツが練りこまれたクグロフ(Kouglof)もよく食べられます。アルザス地方では一家に一台はクグロフを焼く陶器の型があると言われるほどお馴染みのケーキで、もちろん、お店でも売られています。

ベラヴェッカ(Berawecka)は「洋ナシのパン」と言う意味で、洋ナシやドライフルーツ、ナッツ、スパイスがぎっしり詰まった密度の高い菓子パンで、アルザス特産のキルシュ(チェリーのリキュール)の芳醇な香りも特徴です。冬に寒さが厳しくフルーツが採れないアルザスで、伝統的に食べられてきました。

長持ちするパンデピス

パンデピス(Pain d’épices)はハチミツとスパイスの入った菓子パンで、バターなどの油脂を加えず硬めでしっとりした焼き上がりです。ディジョンやアルザス地方のものが有名ですが、フランス各地でパン屋やクリスマスのマルシェで買うことができます。

現在はフランスでもクリスマスや元日に営業しているお店がありますが、昔はクリスマス期間はお休みでした。日本でも、年末年始にお店が開いていない時代はおせち料理やお餅など日持ちのするものを食べていましたね。1か月近く長持ちするパンデピスを買っておけば、パン屋が休みだったり寒い日にバゲットを買いに行くのが面倒でも困りません。

いかがでしたか? 今回ご紹介したクリスマスケーキは日本でも、洋菓子店や輸入食品店、デパート、大型スーパーマーケットなどで買えるので、今年はフランス気分でおうちクリスマスを楽しんでみてはいかがでしょう? またレシピをインターネットで簡単に見つけられるので、手作りするのもいいですね。

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