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南仏プロヴァンスのクリスマス飾り、サントン人形とその歴史
いよいよ明日はクリスマス! 今回は、南仏プロヴァンスのクリスマスに欠かせない飾り、サントン人形とその文化や歴史をご紹介します。
サントン人形とは?
フランスのプロヴァンス地方の工芸品で、2cmから15cm程度の小さな素焼きの人形です。粘土を型に入れて成型して乾燥させた後、素焼きして色付けします。ハンドメイドなので、すべて一点ものです。
サントン人形は主に19世紀のプロヴァンスの伝統衣装を身にまとい、当時の職人や商人、一般人の格好をしています。
プロヴァンス語で「サントン(santoun)」は小さな聖人を意味します。イタリア語で美しい聖人を表す「サンティベッリ(santibelli)」の短縮形「サントーニ(santoni)」に由来すると言われています。
プロヴァンス風クレーシュとサントン人形の歴史
※クレーシュの詳細については、先週の記事「フランスのクリスマス飾り、クレーシュの歴史」をぜひご覧ください。
フランスでは、クリスマス前から年明けまたは2月初めにかけて教会などに「クレーシュ(Crèche de Noël)」というキリストの降誕場面の模型を飾る風習があります。
プロヴァンス風クレーシュの特徴は、キリストやマリア、ヨセフなど宗教上の人物だけでなく一般人の人形もクレーシュに置かれることです。1774年にマルセイユでローラン(Laurent)という人物が、関節可動式で当時の衣装を身にまとった一般人の人形を置いたクレーシュを作ったのが、初のプロヴァンス風クレーシュです。ローランは奇をてらって、通常のクレーシュには登場しないキリンやカバなど異国の動物の人形まで置いたと言います。
18世紀末のフランス革命下の非キリスト教化運動で教会は閉鎖され、人々はクレーシュを見られなくなってしまいました。そんなときに、マルセイユのクレーシュ職人ジャン=ルイ・ラニェルが、石膏の型と粘土で人形を作ったのが、サントン人形の始まりです。それまでクレーシュに置く人形や像は木彫りで高価でしたが、粘土の人形は一般人でも買える手頃な価格で評判を呼びました。キリストやマリア、ヨセフなど宗教上の人物はもちろん、パン屋、粉ひき屋、鍛冶屋、魚屋、漁師、猟師、洗濯女、農夫、道化男、太鼓奏者、羊飼い、ブルジョワ女性、市長、司祭などプロヴァンス地方の一般の人々の姿もサントン人形になりました。
そして皆で一緒にキリストの降誕を祝う場面を表現すべく、家庭用クレーシュに一般の人々のサントン人形を飾るようになり、プロヴァンス地方にサントン人形が普及します。さらに人形たちの背景として、村の家々、丘や川、オリーブの樹まで南仏の風景を再現する凝ったプロヴァンス風クレーシュも登場しました。
1803年には、マルセイユで初のサントン人形フェアが開催されました。その後サントン人形はプロヴァンスの伝統工芸となり、現在でも毎年11月から12月にかけて、マルセイユやオーバーニュなどプロヴァンス地方の都市でサントン人形フェアが開催されています。
サントン人形の種類は数百種類と言われています。表情豊かな人々や動物の人形は、すべてが一点もの。お土産としてもおすすめです。見学できるサントン人形工房もあるので、プロヴァンス地方を旅行される機会があれば訪れてみてはいかがでしょう?
それでは皆さま、楽しいクリスマスをお過ごしください!
Joyeux Noël!
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