ボルドーの過去に戻れる映画館

フランス南西部の街ボルドー。

ワインの生産地としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

確かに2016年にはワイン文化施設「Cité du vinシテ・デュ・ヴァン」がオープンし、ワインのデキャンタの形をイメージし独創的な建物が話題になったほど。街中にもワインを手軽に楽しめるお店が沢山あります。

ですが、今日ご紹介するのはボルドーの映画館　「ユートピア　utopia」。

ボルドーの中心街にあり、教会だった建物が映画館として使われています。

映画は全国放映作品だけでなく、自主映画も上映されている日本でいうミニシアター。

さらに、鑑賞後に進行役を中心に観客が意見を交わす« Débat デバ »（討論）が行われる映画上映もあります。デバの時間は自由に意見が交わされるので生のフランス語が聞けるのはもちろん、参加もできるのでフランス語学習者にはもってこいの場所。

建物である教会は14世紀から17世紀の間に建設され、その名は “église Sanit-Siméon de Bordeaux” ボルドー・サン-シメオン教会。フランス革命の頃に廃用となり、その後様々な用途で利用されていましたが、1990年より映画館ユートピアになり今に至ります。

ボルドーに住む人々の間では、実際には教会として使われた事はなかったという噂もあります。ホールまでの階段をミシミシと音と立てながら階段を上っているとまるでタイムスリップしたような気分になる映画館です。朽ちる事なく時に合わせて姿を変え、美しく在り続ける建物に胸が熱くなります。

Cinéma Utopia Saint-Siméon（シネマ・ユートピア・サン・シメオン）

5, place Camille-Jullian 33000 Bordeaux